カリキュラムガイド 一覧
[2] 学部のカリキュラム
バイオ?化学部 > 応用バイオ学科
教育目標
高品位な社会生活に必要な生命科学に基づいた技術開発のために、本学科では、生物に関連した新機能分子創出、ゲノム解析や遺伝子解析、人間の行動や感覚の仕組みについて主に学ぶ。生命現象の基礎となるDNAやタンパク質の合成過程、生物の基本機能、感覚や行動を制御する脳の仕組みを理解し、広義のバイオ技術に基づいて新しい産業を担うことのできる人材を育成する。
キーワード
- 生命現象解析力
- 脳機能解析力
- 生命科学応用力
- バイオ工学技術応用力
応用バイオ学科 科目概要
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B101 バイオ?化学大意(応用バイオ)
本学部では、生命現象あるいは化学現象の把握力と分析力を養うとともに、科学的理解力と深い洞察力および柔軟な応用力を身につけたバイオ?化学技術者の育成を目指している。この科目では、バイオ?化学分野の歴史と社会とのつながり、大学で生物や化学およびその応用分野を学ぶ意義、産業界での技術者としての役割などを、教員、学生、卒業生、社会人との議論を通して考える。各学科で修学する意義、物事の本質を求める学習姿勢や将来目標を実現するための修学計画能力の獲得を目標とする。修学で得た能力で、地域社会に貢献することも学ぶ。
行動目標●現代社会におけるバイオ?化学分野の役割を理解し、自身の修学計画を立案できる。学科教育プログラムの概要と学ぶ領域を理解し、自身の修学計画を立案できる。大学で自ら学ぶ意義と基本的現象?概念の原理原則を科学的に思考できる。応用バイオ分野における理工学技術者としての役割を説明できる。応用バイオ分野の今後の展開を論理的に考え、第三者に伝えられる。今後の学習?行動目標、キャリア形成などを計画でき、将来の夢を語ることができる。 -
B102 基礎生物学Ⅰ
自然現象の摂理を科学的?論理的に思考できるようになるために、生命科学に関する基礎知識を学ぶ。生物は、共通の特徴をもつ一方、多様性を維持している。生物がもつ多様性はその生物の遺伝子組成と発現様式が決めている。本科目では、DNAやタンパク質などの分子レベルから個体、生態系に至る生命科学を理解することにより、生命現象の仕組みや面白さを知る。
行動目標●タンパク質の構造とそのはたらきについて説明できる。代謝の中心となる異化と同化について説明できる。生物が機能するもととなる遺伝子発現について説明できる。高等動物の防御システムである免疫の種類について説明できる。生物どうしの関係など生態系について説明できる。文献調査し、まとめることができる。 -
B136 基礎生物学Ⅱ
「基礎生物学Ⅰ」で身につけた生命科学に関する基礎知識を基に、より深く詳細に、生物共通の特徴と多様性について学ぶ。生物共通の特徴としては、特に細胞の構造や遺伝について詳しく学習し、生物の現象を科学的に考えられるようになる。生物多様性としては、呼吸や光合成のさまざまな仕組みを理解することにより、生物学の奥深さを知る。また、生物の機能を利用して作製されたエネルギーや食品、生物の動きや構造を模した機械や新素材について学び、科学的思考によって生物機能の応用の可能性を考える。
行動目標●細胞小器官の構造とそのはたらきについて説明できる。生命活動に重要な生体エネルギーの消費について説明できる。有性生殖と無性生殖の特徴について利点と欠点を説明できる。染色体上の遺伝子と遺伝の関係について説明できる。恒常性の維持におけるホルモンの重要性について説明できる。生物の機能とバイオミメティクスについて文献調査し、発表することができる。 -
B103 人体の構造と機能
多細胞生物の体の構造と生理機能の関係を学ぶことで、細胞が生物の基本単位であることを理解する。比較生理学の視点から、さまざまな器官の構造と機能を比較して学ぶことで、ヒトの体の構造と機能の特徴を理解する。
行動目標●細胞と個体の関係を説明できる。各器官の働きについて、生理学的観点から説明できる。体の構造と機能の関係について説明できる。多細胞生物の多様性を器官の構造面から説明できる。 -
B104 バイオ工学入門
バイオテクノロジーとは生物の機能を直接または間接的に利用して人間社会に役立てる技術であり、生物を理解するためのあらゆる分野の基礎研究の上に成り立っている。バイオ工学入門では、バイオテクノロジー技術が産業的に利用されてきている歴史、オールドバイオとニューバイオの技術紹介、食品、化成品、医薬品、環境修復、計測、エネルギーなどの幅広い利用分野までにまたがり、最近の技術開発の紹介、産業化への各種技術改良、それらの技術開発の原理および理論を中心に学ぶ。
行動目標●バイオ食品の技術を理解し、説明できる。遺伝子組換え微生物の技術を理解し、説明できる。遺伝子組換え農作物の技術を理解し、説明できる。バイオ医療の技術を理解し、説明できる。バイオ計測の技術を理解し、説明できる。バイオ環境の技術を理解し、説明できる。 -
B105 バイオ情報入門
本講義では、生命を情報の視点から捉えるための第一歩を理解することを目的とする。感覚情報、運動情報、神経伝達、脳における認知情報処理と記憶など、生物における情報伝達とその処理の基礎を学ぶとともに、生命現象や生体機序を情報的視点で理解する。一方、これらを理解するための情報科学、統計的解析法およびコンピュータ利用技術などの基礎を理解する。
行動目標●生命における情報の役割について説明できる。生体における感覚情報と運動情報について説明できる。脳における情報の抽出と解析について説明できる。生命科学における数理情報の統計的処理と解析について説明できる。生命科学における数理情報の解析結果の見方と表現方法について説明できる。 -
B106 アカデミックライティング
「修学基礎A?B」を引き継ぎ、各専門分野におけるレポート作成スキルを育成する。問題発見、問題解決するプロセスにおいては、自己の考えや主張をレポートとしてまとめ、情報を発信する能力が必要である。これを「個人」の能力として身につけさせるために、学科の専門性に則したテーマでレポートの作成手順を学習するとともに成稿することにより、専門科目のレポートおよび論文作成の入門として位置づける。
行動目標●応用バイオの分野における問題を発見し、レポートのテーマを設定できる。応用バイオの分野における情報を収集?分析?整理することができる。応用バイオの分野に則したレポートが作成できる。 -
B107 細胞の構造と機能
細胞は生命を構成する基本単位であり、生命の有無をわける最小の単位である。本科目では、細胞の構造維持に関わるタンパク質や各小器官の機能を学び、細胞を外界から隔てる細胞膜の構造やはたらきに関する知識を修得する。また、細胞内での化学反応を司る酵素や細胞内のエネルギーとしてはたらくATPが細胞内でどのように用いられるかについて学び、代謝における酵素や代謝過程の調節とエネルギー生産についての理解を深める。
行動目標●細胞小器官や細胞骨格の構造と機能を理解し、説明できる。細胞膜の構造と機能を理解し、説明できる。細胞内における化学反応とATPのはたらきを理解し、説明できる。酵素の構造や活性の調節機構を理解し、説明できる。細胞呼吸について理解し、説明できる。発酵について理解し、説明できる。 -
B109 神経科学
人間、および動物の行動を、生理的な側面だけでなく、機能的さらには進化的な観点から学ぶことを通して、行動を神経系がどのように生み出しているかについての理解を深める。具体的には次のような、能力を育成する。①ヒトと動物の行動を理解し、その基盤となっている神経系の構造と機能を説明できる。②行動を生理的な側面だけでなく、機能的さらには進化的観点から理解できる。③自然環境、社会環境に適応するための行動を支える神経基盤を説明できる。
行動目標●生命、行動について説明できる。神経や脳の構造と機能について説明できる。動物および人間の行動を脳や神経の働きとして説明できる。環境に対する適応の意味と進化について説明できる。自然環境、社会環境に適応するための行動を支える神経基盤を説明できる。行動を生理的な側面だけでなく、機能的さらには進化的観点から理解できる。 -
B110 有機化学Ⅰ
有機化学は、石油化学、高分子化学、製薬、化粧品、食品、環境などの幅広い産業分野の基礎に位置する極めて重要な学問である。生体分子を扱うバイオ工学の分野においても重要であることは言うまでもない。本科目では、有機分子の構造の理解を発起点として、アルカン、ハロアルカン、アルコール、エーテル、アルケンについての命名法、分類と構造、性質と反応、合成法について体系的に学ぶ。さらには、立体化学の基礎を学ぶとともに、有機反応を電子対の流れで理解する有機電子論の基礎についても学ぶ。
行動目標●原子や分子の構造と電子軌道が理解できる。キラル分子の構造と絶対配置が理解できる。有機電子論の基本が理解できる。アルカン、ハロアルカン、アルコール、エーテル、アルケンの命名法、分類、構造、性質、反応、合成法を理解し、説明できる。 -
B111 分子生物学
生体を構成する物質の中でも核酸とタンパク質は生命現象を担う最も重要なものである。それらの物質の構造と機能を学ぶことは、生命現象の本質を理解する上で、また、バイオ工学の基礎として重要である。さらに、生物の持つ共通法則として、生命現象の設計図が書き込まれている遺伝子(DNA)からタンパク質が作り出されるまでの情報の流れと、その流れをRNAやタンパク質レベルなどで調節するさまざまな機構、遺伝子の複製?分配、遺伝子組換え、微生物の発酵生産について学習する。
行動目標●DNAの複製と修復の原理を理解し、説明できる。転写と転写調節の原理を理解し、説明できる。翻訳の原理を理解し、説明できる。遺伝子組換えの原理を理解し、説明できる。微生物による有用物質の発酵生産について理解し、説明できる。 -
B112 データ解析
推測統計の基礎となる正規分布の性質、母集団と標本集団間における比較検定法、複数の標本集団間における比較検定法について学ぶ。さらに、集団の性質に依存しないノンパラメトリック検定法、データ尺度に応じた適切な検定法の選定法について学習する。基本的な記述統計処理を行える。データの分布を理解し説明できる。パラメトリック検定とノンパラメトリック検定の違いを説明できる。コンピュータプログラミングを、データ表現や解析に利用できる。
行動目標●基本的な記述統計処理を行える。データの分布を理解し、説明できる。パラメトリック検定とノンパラメトリック検定の違いを説明できる。データの内容に合った検定法を選択できる。コンピュータプログラミングを、データ表現や解析に利用できる。 -
B113 微生物学
人間は古来より微生物を利用して、パン、清酒、味噌、醤油、納豆、チーズなどの食品を製造してきた。微生物は、発酵食品に限らず医薬品や有用物質の生産、環境浄化、廃棄物のリサイクル、バイオエネルギー生産、遺伝子組換えなど幅広い産業分野で重要な役割を果たしている。他方、食中毒菌、各種病原菌をはじめとする有害な微生物も身近に存在している。本科目では、微生物の分類と構造、増殖と培養?滅菌、有用および有害物質生産などの微生物に関する基本的な知識を学ぶと共に、地球環境問題について、微生物利用の観点からも学ぶ。
行動目標●微生物の種類、構造および生育条件を理解し、説明できる。微生物の培養に必要な機器、器具および操作を理解し、説明できる。微生物における変異や形質転換を理解し、説明できる。抗生物質および耐性菌の出現について説明できる。微生物の有効利用(環境浄化?エネルギー生産?食品加工)について説明できる。 -
B114 感覚機能論
私たちは周囲の状況や興味ある対象を正確に知覚?判断しているが、この時、脳は感覚システムで得られた膨大な情報を処理している。本講義では、人間および高等動物における各種感覚の機能的側面に関する基礎を学習する。具体的な内容としては、感覚全般、視覚?聴覚?体性感覚?味覚?嗅覚などの仕組みと機能について理解する。
行動目標●閾値の心理物理的計測法の概略を説明できる。視覚系の構造とその機能?特性に関する基礎事項を説明できる。視覚系における受容野とその特性の基礎事項を説明できる。視覚における立体知覚と両眼視差の基礎事項を説明できる。聴覚系の構造と音の知覚に関する基礎事項を説明できる。体性感覚の構造と機能局在の基礎事項を説明できる。